音域ごとに異なる色彩を求められるドビュッシーのピアノ曲は、ベヒシュタインに最適。前半は、『2つのアラベスク』と『月の光』を題材に、ショパンを源泉に持つレガート奏法、クラヴサンに発したスタッカート奏法、そしてオリジナルの和音の連結について解説する。後半は、『前奏曲集第1巻』より、1910年と11年にドビュッシー自身が初演した8曲を解説・演奏。
クロード・ドビュッシー
アラベスク第1番
〜ショパンの秘法から
アラベスク第2番
〜クラヴサンの技法から
月の光
〜和音の連結から
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前奏曲集第1巻 より
1910年5月25日初演
デルフの舞姫たち/帆/ 沈める寺/パックの踊り
1911年3月29日初演
音と香りは夕暮れの大気に漂う/野を渡る風/雪の上の足跡/ ミンストレル
プロフィール:
青柳いづみこ(ピアニスト・文筆家)
安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。
マルセイユ音楽院首席卒業、東京藝術大学大学院博士課程修了。『ドビュッシーと世紀末の美学』で学術博士号。平成2年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ね、著作は34点、CDは25枚。21枚のCDが『レコード芸術』特選盤となるほか、『翼の生えた指』で吉田秀和賞、『青柳瑞穂の生涯』で日本エッセイストクラブ賞、『6
本指の ゴルトベルク』で講談社エッセイ賞、CD『ロ マンティック・ドビュッシー』でミュージック ペンクラブ音楽賞。近著に『パリの音楽サロン』(
岩波新書) 、CD にクリストフ・ジョヴァニネッティとの『19歳のシューベルト』 (ALM ) 。
日本演奏連盟、 日本ショパン協会理事、大阪音楽大学名誉教授。兵庫県養父市芸術監督。HP:https://ondine-i.net