<デジレ・ランカトーレ>
イタリア、パレルモ生まれ。18歳で、ザルツブルク音楽祭《フィガロの結婚》のオペラ・デビュー。その後、英国ロイヤル・オペラ、ウィーン国立歌劇場、ローマ歌劇場、チューリッヒ歌劇場、英国ロイヤル・オペラ《ファルスタッフ》等、ヨーロッパの主要オペラ・ハウスに次々に出演。数々の世界の桧舞台での活躍を経て、2004年ミラノ・スカラ座改修後のこけら落とし公演に、ムーティの指名で主役に抜擢され、大成功を収める。聴衆と多くの批評家に絶賛を浴び、彼女のオペラ歌手としての国際的地位を不動なものとした。現在もスカラ座、ボローニャ歌劇場、チューリッヒ歌劇場、ウィーン国立歌劇場、マドリッド王立歌劇場等に常時出演。可憐な容姿と高度なテクニックを持った歌唱で多くの日本の聴衆を虜にしている。椿姫においては、最後のシーンに定評を持っており、必見の舞台といえる。
<レオ・ヌッチ>
言わずと知れたイタリアの世界的名バリトン歌手。現代のオペラ界を代表するスター。デビュー以来45年のキャリアを持ち、レパートリーは幅広く、ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニ、ドニゼッティ、モーツァルト等、60以上を誇る。当代最高のヴェルディ・バリトンと称され、ヴェルディ・オペラには欠かせない存在である。オペラ歌手としてのデビューは1967年スポレートでの《セビリアの理髪師》フィガロ役だが、それから中断した時期があり、本格的なオペラ・デビューは1975年フェニーチェ劇場《ラ・ボエーム》ショナール役からとなる。その後は、スカラ座で《フィガロ》《仮面舞踏会》、メトロポリタンで《運命の力》を歌い一躍スターダムに。その声は全く衰えず、広いレパートリーを維持。声と技術の素晴らしさは言うまでもなく、そのサービス精神と人柄をさらけ出すような舞台も素晴らしい。
リサイタルは今でも完売させる実力の持ち主。現役でオペラ界を牽引している。
<パレルモ・マッシモ劇場>
建物としてのマッシモ劇場はイタリアでは最大、欧州ではパリ、ウィーンに並ぶ威容を誇る。外観は新古典主義様式、内部はリバティ様式の優美さをもつ。荘厳な大階段は、映画《ゴッド・ファーザー》のエンディングシーンでも使われた。
1974年から24年間修復のため閉鎖。1998年再開、こけら落とし公演はヴェルディ《アイーダ》だった。ホセ・クーラがパヴァロッティの代役として登場、オペラ界の話題をさらった。以来、パヴァロッティやフレーニをはじめとする多くのイタリアの一流歌手・指揮者が出演。現在の総裁はフランチェスコ・ジャンブローネ、芸術監督にオスカー・ピッツォ。一流歌手を起用し精力的な活動を続けている。